社会人のためになればいいな〜と思うこと

社会人やこれから社会人になる人のためになればいいな〜と思う情報を発信していきます。

未来への希望の重要性

企業にて人材育成、人事制度構築、採用がうまく機能しないという相談をよく受ける。そのお話を聞いているとうまくいかない原因の1つに共通したものが存在する。

それが未来への希望だ。

未来への希望がなければ育成される側もなぜ今以上に成長しなければいけないのか?と思ってしまうことだろう。人事制度では、どうせ評価されても自分への待遇が変わるわけでないと感じてしまう。採用では、採用されたとしても将来に希望が持てないと考えてしまうと入社しようとは思わない。

未来への希望はとても重要なのである。

この未来への希望は、ただ未来への希望を語るだけでは意味がない。むしろ逆効果を生むことがある。

「当社ではこんな未来が待っている」と言われてもその根拠がなければ誰も信用はしない。それだけでは詐欺っぽいと思う人もいることだろう。同じことを語っても未来への希望を感じられる場合と感じられない場合があるわけだ。

未来への希望を理解してもらうためには、もちろん未来への希望を語ることは大切だ。そのポイントはストーリーである。未来への希望が見えるストーリーが必要なのだ。そのストーリーはゴール→現在→未来につながることになる。

まずはゴールを明確にする。「〇〇になる!」などでも良い。このゴールは皆にとって興味・関心が強いものになっている必要がある。そうでなければ未来への希望は持てないからだ。

現在の部分では現状を伝える必要がある。現状の良い点・悪い点などを明確にする。この現状の良い点・悪い点から未来へのプロセスに入る。

未来の部分では現在を起点としてどのようなプロセスでゴールに辿り着くのかを明確にする。具体的な施策やマイルストーンなどがあるとわかりやすい。そして、そのプロセスにおける施策が納得できるものであることが重要だ。そうでなければ机上の空論で終わってしまうことだろう。

そしてゴールに辿り着くことで未来への希望が生まれやすくなる。

未来への希望は人や企業の原動力となり、栄養素となる。本来は誰もが持っている未来への希望を上手に表現することが大切だ。

ただ、形式的な未来への希望ではなく、本心であることが重要なのはいうまでもない。

 

仕事でモチベーションを左右する要素

仕事のモチベーションは成果を上げるためには考えるべきことの1つである。誰かのモチベーションを上げたいと思う人はいることであろう。何かのプロジェクトや部署内でメンバーのモチベーションが下がっていると最終的に組織全体の成果に影響を与えることもある。だからこそモチベーションを上手にコントロールしたいと考えるものだ。

誰かのモチベーションを上げるという行為は結論から言えば無駄に終わることになる。モチベーションは他人によって左右されるものではないからだ。これは直接的にコントロールできないという意味である。もちろん他人のモチベーション変化に影響を与えることは可能だ。以前に書いた「変えられるもの」と「変えられないもの」で分類すると他人のモチベーションは「変えられないもの」に分類できる。他人のモチベーションを直接的に思うようにコントロールしようとするのは無駄な努力になってしまう。

このモチベーションは本人の物事の解釈で左右されるものだ。喉が渇いた2人に同じお茶を差し出したとしてもお茶の気分の人とそうでない人ではお茶に対する感謝のレベルは変化してしまう。これは価値観等から来る捉え方の問題だ。同様に同じ言葉をかけたとしてもその捉え方によってモチベーションの変化に差が出るのである。

このような中でモチベーションにどのように働きかけることが出来るのかを考えてみたときにある程度共通してモチベーションが向上する場面が存在する。それが「何かを達成したとき」「自分が認められたとき」である。この2つは多くの人がモチベーション向上につながりやすい。この2つの事象について人は「嬉しい」という感情を持ちやすいからだ。つまり、この「嬉しい」という感情を持たせるために働きかけることがモチベーション向上には有効であると考えられる。

「何かを達成したとき」に達成した事実とその行動に対する労いの言葉をかけるのは有効だ。しかし、達成した内容にもある程度の条件が存在する。その1つが難易度である。非常に簡単な仕事を達成したとしても本人は「当たり前」と感じてしまう。本人が「当たり前」と思う内容について労ったとしてもモチベーションが向上するまでの嬉しさは発生しないだろう。逆に嫌味を言われていると感じる人もいるかも知れない。難易度が適切なもの、努力をして達成したものに対して、この達成の事実を認める事が有効である。その点を考えると仕事の振り分けをする人は対象者のレベルを理解し、そのレベルに合わせた仕事を振り分けることが必要になる。これもモチベーション向上の前準備と言えるだろう。

「自分が認められたとき」も相手がどのように感じるか?が重要になる。認められることは多くの人によって嬉しいことだろう。しかし、これも「当たり前」のことを認められても腑に落ちないものだ。これも嫌味を言われていると捉える人も出てきてしまうものだ。相手に合った内容を認めることが重要になる。

これらの点を考えると他人のモチベーションに影響を与えるためには、相手のことを理解している事が前提になる。相手を理解していなければモチベーションに影響を与えようとしてもなかなか難しいことになる。部下を持つ方々は部下のモチベーション向上を考えるのであれば、部下のことをどれだけ知っているかを確認した上で行動に移すことが求められるだろう。

 

納得感の現実

何かを伝える時に相手が納得する場合と納得しない場合がある。これは必ず発生することである。何が相手の納得感を生むのか?ここを知っておくことが必要になるだろう。そうしなければ伝える立場になった時に不満を感じることになる。

この相手の納得感を構成する要素には「何を伝えるか」と「誰が伝えるか」が存在する。

「何を伝えるか」は伝える内容が相手に対してどのようなことを主張したいのか、その内容が妥当であるのか、が焦点となる。相手が理解できない論理であったり内容であれば、それは相手が納得するに至らない。何がどのように作用するのかの関連性を明確にして伝える必要がある。まさにロジカルに伝えることが重要になる。多くの人はこの点を重視していることが見受けられるため、「何を伝えるか」が正しい内容であることが多いであろう。それでも相手が納得しないことがあり、その場合、「なぜ分かってくれない」と不満に感じてしまう。これは若手中心に発生することが多い。その原因となるのが、「誰が伝えるか」である。

「誰が伝えるか」は「何を伝えるか」の良し悪しではなく、伝える人によって相手が納得することを意味する。自分が言っても納得してくれないが、同じ内容でも他の人が言ったら納得して物事が進んだ、というケースがそれに該当する。これは人の先入観やパワーバランスから生まれる納得感である。これは多くの人が経験したことがあることかも知れない。もちろん私も経験がある。

私が以前、装置メーカーの営業をやっていた頃の話だ。まだ若手であった私はお客様との打ち合わせ後に技術の社員に仕様のすり合わせをした。仕様としては難しいものではなかったが、技術側はその仕様に対して拒否を示した。その仕様はお客様が必須項目と挙げているものであり、それを実現しないことは受注をしないということを意味していた。拒否をする理由が技術的に難しいのであれば、他の代替案を模索することになるが、技術的に難しいものではない。技術側が拒否をした理由が「面倒だから」ということであった。それは非常に残念な話である。血気盛んであった私は事業部長に「面倒だからやらないのはどういうことか?これを受注しないという方向で進めていいのか?」ということを訴えた。技術の担当者もまさか事業部長に直談判するとは思っていなかったようだ。その時、技術に配属された同期がどこかへ駆けて行くのが見えた。前代未聞の事態に周囲は騒然となった。事業部長は目を丸くしながら私の話を聞いていた。私の話の中心は「面倒だからで受注をしなくて良いのか?」ということであった。事業部長は「受注はしたい」という意思ではあるものの、「面倒だから」を批判することはなかった。その時、先ほど駆けて行った同期が戻ってきた。その後ろには常務がいた。常務と私はプライベートでも良い付き合いをさせていただいていた。夕方に常務から電話が来て「喉が渇いた」と言って2人で飲みにいく間柄であった。その常務がやってきた。常務が登場するとフロア全体に緊張感が走った。そして、「どういうことだ!事業部長」と私の隣に来て事業部長に詰め寄った。丸くなっていた目を更に丸くした事業部長は何も答えられない状態だ。そして、それを見た常務は

「関係者を全員ここに集めろ!」とミーティングスペースを指した。まもなく関係者が集まり、技術部側から事の経緯の説明を始めた。それを聞いた常務は

「面倒だから受注しなくて良いのか?」と私が言った言葉を放った。周囲は黙り込む。そこで事業部長が口を開いた。

「これはやります。常務、申し訳ございませんでした」

それを聞いた常務は「謝る相手が間違っている。謝る相手は営業だ」と返した。そして、常務は私に「これでいいか?」と確認し帰って行った。常務が帰った後の周囲の私への視線が怖かったのはいうまでもない。

 

だいぶ長い話になってしまったが、若手の私が言っても動かないが、常務が言うと動くという「誰が伝えるか」によって結果が変わることがあるということだ。私にとってこの経験は様々なことを学べるいい経験になったと感じている。

伝えるときには「何を伝えるか」と「誰が伝えるか」が重要であることを覚えておきたいものだ。

 

 

仕事における成果の種類

仕事にする上で成果を無視することは出来ないものだ。その成果を考える上では時間軸に応じた2つの成果を考える必要がある。それが現在の成果と未来の成果である。目の前にある現在の成果に目が行きがちであるが、未来の成果も考えておかなければ継続した成果を生み出すことは難しい。ジェットコースターのように良い成果と悪い成果が発生し、そのバラツキが大きくなってしまうものだ。その点から考えると今まで成果として考えていたものを分解して把握しておく必要がある。

成果を分解すると次のようになる。

 

成果=仕事成果+本人成果

 

仕事成果は業務としてのアウトプットであり、世の中でよく言われる成果である。どれだけ業績に貢献したか評価対象となるものであることが多い。この成果はもちろん必要だ。

本人成果は仕事をしていく中で自分が感じた面白さや喜びである。これも仕事をしていく中での1つの成果であると言える。この本人成果は必ずしも現在の成果につながるとは限らないものであるが、未来の成果に繋げるために必要なものである。

仕事の成果を考える上で2つの成果を理解しておくと現在・未来での成果を実現しやすくなる。現在は「仕事成果」を中心に考えられることが多い。確かに周囲から認められる仕事成果を出していくことは非常に重要である。一方で「本人成果」を高めていくことも大事だ。見落としがちな本人成果であるが、本人成果が高ければ仕事での成長が見込めることになり、だからこそ将来の仕事成果を生み出すことになる。これはただ単に仕事が面白いと感じれば良いのであるが、実はそれにも1つの障壁が存在する。

本人成果を高めるためには仕事に対する楽しみを自らの価値観の中で探す必要がある。他人が楽しいと思う仕事でも自分は楽しくないと思うことがあるように、自分の価値観の中で楽しいと思えることが重要だ。「好きこそものの上手なれ」という言葉があるが、まさにこれが本人成果につながることであろう。

仕事の中に自分の価値観における楽しみを見つけるためには「良いところを見つけること」が重要になる。これは仕事に限らず様々なところで必要なことだ。仕事において良いところを見つけることが出来れば、それが楽しみに変わる可能性は高い。人は残念ながら良いところを見つけるのは得意ではないようだ。悪いところはすぐに見つけられるが、良いところを見つけるのはなかなか出来ない。これが現実だ。他人の悪いところを挙げてもらうと数多く出てくるが、良いところを挙げてもらうと悪いところよりも数は少なくなることが多い。これが現実だ。そのように人は良いところを見つけるのがあまり上手ではない生き物であるようだ。しかし、良いところを見つけることが出来れば本人成果が向上し、将来的な仕事成果も向上する可能性を高めることが出来る。

成果を考える時には仕事成果と本人成果を考えていくと徐々に良い結果にするための施策を思い描くことが出来るであろう。

 

 

物事を分けて繋げて考えることで物事を可視化する

仕事をしていると様々なことを考えることになる。単純なものもあれば複雑なものもある。単純なことを考えることは多くの人が出来るが、複雑なことを考えるとなると難しいと思ってしまう人もいる。その時に1つの考え方が有効である。それが「分けて繋げて考える」ことだ。

複雑な物事は様々な状況や事象が組み合わさって出来ていることが多い。それを要素別に「分ける」ことと分けたものを「繋げる」ことで構造と因果関係が見えてくる。新人教育というテーマで考えると様々な切り口と要素が生まれてくる。切り口としては「業務スキル」「ビジネススキル」「テーマ別スキル」「帰属意識」etc.と列挙すれば相当の数が出てくる。それを満たすための要素として「適性」「価値観」「学習カリキュラム」etc.とこちらも相当な数が出てくる。これらを合わせて計画を立てるとなると大変である。切り口や要素が多いからだ。これらを考える上で「分けて」「繋げて」「考える」が有効になる。

まずは「分けて」の部分だ。切り口の部分を分けて考えるとその1つに「業務スキル」がある。業務スキルは何に有効であるかを考えてみる。この時にゴールに繋げて考えるのだ。売上向上というゴールに繋げてみよう。「業務スキル×売上向上」にするとキーワードが出てくることだろう。そのキーワードについて考えることで計画が立てやすくなるわけだ。それぞれの内容について分けて繋げて考えると一見複雑なものであっても何が共通しているものであり、何が独立しているものであるのかが明確になってくる。

この考え方をしていくことで意外とスムーズに考えがまとまるものだ。

ケース別で考えることの重要性

様々な場面で人は判断をしなければならない。人生は判断の連続であるといってもいいだろう。その判断によって人生は大きく変わる。人は誰しも出来る限り正しい判断をしたいと思っている。正しい判断をすることで自分の人生がより良いものになるとわかっているからだ。受験における学校選び、どのような部活に入るか、就職活動のような比較的大きな判断からコンビニで何を買うか、といった小さな判断まで様々な判断を日常的にしている。

仕事の中で判断をする際にも様々な判断が存在する。この仕事をどのように進めていくことが最も良いと考えられるか、この人を採用していいか、どのような提案をするか、まさに判断の連続である。その際になるべく正しい判断をしたいのであればケース別で考えることが有効だ。

判断をする際にはいくつかの選択肢がある。その選択肢の中でどれを選ぶかが判断だ。複数の選択肢のそれぞれにおいて選択をする時点でのメリット・デメリットを考える人は多い。しかし、それだけでは正しいと考えられる判断をする目的を満たさないこともある。現在だけでなく未来でのメリット・デメリットも考える必要があるからだ。この判断をする際には少なくとも2つの要素を加えて考えることが必要だ。

1つは選択肢における「構造」。この構造はどのように成り立っているかを理解することである。その選択肢が何によって構成されているかにより、何が出来て、何が出来ないのか?を明確にすることができる。判断をする上で求められている要件を満たしているか?を把握することで的確な判断ができることになる。

もう1つは「時間軸」。その目的が求める時間軸に合わせて考えることが必要だ。つまり、時間を進めた時にどうなるか?を考えることになる。5年後を考えた判断であれば現在から時間を進めていき、1年後にはどうなるか?2年後にはどうなるか?を踏まえた上で5年後にはどうなるか?を考える。時間は連続したものであり、連続している中での外部環境も変化する。その変化をある程度予測して時間を進める中で、その選択肢が正しいものであるかを検討することが必要だ。

この2つの要素を理解して判断をすることでより正しい判断になる可能性が高まる。ただ、判断に絶対はない。予想できなかった変化などが存在すれば、その判断に修正が必要となる。その点を考えると判断をする時点で絶対に正しいと言い切ることは難しいものだ。だから判断では「正しそうなもの」選ぶことになる。絶対でなければ動けないとなってしまうと何も物事は進まない。今ある中で最も正しいと考えられる判断をすることが大切だ。

成功に囚われないことの重要性

人は過去の成功を誇らしく思うものである。誰しも何らかの成功をしたことがあることだろう。成功体験は自身の自己効力感を高めるものであり、人にとって成功体験は先々の成功に対して非常に重要な要素であるといえる。重要な成功体験であるが、それに囚われ過ぎてしまうと悲惨な未来が訪れることになる。過去の成功はいわば未来の成功と失敗を左右するものだ。

人は成功をするとそのやり方が正しいものであると考える傾向がある。しかし、その成功のやり方が必ずしも正しいとは限らないことを理解しておかなければならない。物事が上手くいくためには「構造」と「その時の状況」がマッチしていることが必要であるからだ。つまりは次のような式が成り立つものであると考えられる。

 

Su=f(C・Si)

Su:成功 f:関数 C:構造 Si:状況

成功は構造と状況の関数によって変化するということだ。

 

同じ状況であっても構造が変われば成功の度合いは変化するものであり、状況が変われば構造が同じでも成功の度合いは変化する。つまり、一度成功した構造で進めていったとしても状況が変われば成功の度合いは変わってくる。どのような状況であるかを理解して構造を決めることが成功につながるということだ。

既述のように人は一度の成功体験によってその構造が正しいものであると考えがちである。この成功体験が未来の成功の足枷になることもあるわけだ。これが一つの大きな落とし穴だ。

成功体験は人の成長や未来の成功への大切な要素であるが、それに固執してしまっては未来の成功を得ることができないものであろう。変化する外部環境を把握して内部環境を適応させていくことが成功への近道であるように思える。